山のくらし

~自然の恵みときびしさと~

 東北の震災の翌夏から北関東の山間地域に山林と畑、古い民家を所有し、新たな生活の模索を始めました。

 山間地の生活も社会の変化の波の中で大きく変わってきていますが、かつて営まれていた生活の片鱗は、石積みの敷地や畑、使い込んだ農機具、養蚕のなごりなどに色濃く息づいています。20年近く放置されていた環境の手入れは、社会の変化の痕跡を確かめるような作業でもあり、価値観を再認識する機会でもありました。

 

 鳥のさえずりに目覚める山の朝。

 しんしんとふける夜,星のかがやき。

 時間の過ぎ方が都市とは違うことを、心身が感じます。

 

 山に行くと、お隣のおばあちゃんが心づくしのお料理を届けてくれます。坂道の多い山の家の周辺の

 移動は、脚が痛いおばあちゃんには大変なのに。

 道具の不具合を見に来てくれたり、年末には臼と杵でついたおもちが届けてくれる方もいます。

 近隣の皆さんのなにげなく気にかけてくださる気持ちのあたたかさ。

 

 山が荒れるに伴ってイノシシやシカが集落におりてくる、いわゆる獣害。

 うりぼうの姿はかわいいけれど、

 かわいいとばかりは言っていられません。

 狩猟免許をとろうかと考えだした夫。

 そういうことにも向き合う日常です。

 

 山のくらしは、自然の中に身を置く生活。

 自然の恵みと、きびしさとを身をもって感じる生活です。

 都市での生活と山のくらしをつなぎながら、

 自分たちにできる山のくらしを模索している最中です。

季節ごとの山のくらし

季節の様子、季節の楽しみ

春: 花:寿草・桜・すいせん・菜の花と春の花

  山菜:ふきのとう タラの芽 さんしょう ふき うど わさび

  梅の収穫

夏: 草の勢いに圧倒されるばかり・・・

   すずめばちやマムシにも遭遇

秋: 柿 栗 くるみ みかんやりんごも

       畑を掘り返すイノシシの親子 果樹をかじる鹿 山の奥にはクマも出没

冬:ゆずの収穫 

  年末にいただく杵つきもち